慢性疲労症候群の治療
現在、慢性疲労症候群を治す特定の治療法は見つかっていませんが、ある程度効果のある様々な治療が行われています。それは患者の症状によって治療法も効果も変わってきます。
薬による治療
慢性疲労症候群(CFS)を治す特効薬はないのですが、現在の治療では漢方薬や、抗ウイルス薬、免疫グロブリン・免疫調節剤・ビタミン剤が使用されています。場合によっては、抗精神薬や睡眠導入剤・消炎鎮痛剤も併用し、患者の不安感を取り除く意味でのカウンセリングも行われます。
病気が解明されていない状態では、症状に対する薬を使わざるを得ない状況ですが、主に免疫調整効果のある薬が有効であるといわれています。
以下に、症状別に使用される薬の例を示します
疲労・認知障害・およびうつ状態
SSRI(Zoloft、Paxil、Prozac等の選択的セロトニン再取込み阻害薬)
睡眠障害・筋肉痛・関節痛
低用量TCA (ドクサピンやアミトリプチリンなどの三環系抗うつ剤)
頭痛・筋肉痛・関節痛
NSAID (イブプロフェンやナプロキシンなどの非ステロイド系抗炎症薬)
その他の薬
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、Klonopin(クロノピン)、
筋注ガンマグロブリン(IMgG)、 栄養サプリメント(特に、抗酸化薬、
ビタミンB12(メチルコバラミン)、ビタミンC(アスコルビン酸))
ストレス回避
慢性疲労症候群を治療するのに、一般的に最も簡単で効果があるのが、ストレスを避けて休みをたくさん取ることです。
ストレスとは、つらい事柄から受けるストレスだけを指すのではなく、生物学上のストレス、例えば騒音やまぶしい光を浴びるといった、自分自身では気がつかないけれど、体の防衛反応が起こるような事柄もストレスの一種です。
慢性疲労症候群の原因として、ストレスが関与しているという報告もありますし、発症患者の場合はストレスによって症状を悪化させる現象が顕著にみられます。
多くの患者が、慢性疲労症候群にかかる初期段階でもっとストレスを避けることができていたら、これほど症状が重くならなかったのではないかと考えられています。
エクササイズ
適度なエクササイズも慢性疲労症候群の改善に有効です。
しかし、注意しなければならないのが、適度は人によって違うというです。
適度というラインを超えてしまうと、エクササイズは「ストレスのかかる活動」となり、慢性疲労症候群の症状を悪化させる要因になってしまいます。

ウオーキング、水泳、サイクリング、ジョギングなどの有酸素運動を、医師の厳密な指示の下で定期的に行うことにより、疲労感を軽減させ、身体機能を高めることができます。
大事なことは、休息と活動のバランスのとり方を学ぶことです。
元気なときに運動をしすぎて、その後で長い休息が必要になるということを繰り返さないようにバランスを保つことを学ぶことが、慢性疲労症候群を回復するカギとなるでしょう。
食事制限
慢性疲労症候群の患者の多くが食物過敏症の影響があることがわかっています。
食物過敏症とは、身体の免疫システムとは関係しない食物に対する反作用です。これらの反応はまるで薬のように神経系に作用することから「薬理学反応」とも呼ばれます。
よく食べている食品のうちいくつかを控えること、例えば牛乳、小麦、トウモロコシ、その他の一般食品を避けることで、多くの患者で劇的な症状の改善が見られることが報告されています。
サプリメント
慢性疲労症候群の患者には、ビタミンB群、ビタミンC、マグネシウム、ナトリウム、亜鉛、L-トリプトファン、L-カルニチン、補酵素Q10、必須脂肪酸が不足している場合が多くみられます。
これらは、不適切な食生活というよりは、慢性疲労症候群という病気によって不足が生じると考えられていますので、サプリメントによる栄養補給が、慢性疲労症候群の改善に効果があるといわれています。
ただし、あくまでもサプリメントは付加的なものであり、通常の食事にかわるものではありませんので、普段からバランスのとれた食事をとることが一番大切なのは言うまでもありません。